ホワイトハウスでのテレビ演説では、「イランの主要な核濃縮施設は、完全かつ徹底的に抹消された」と述べました。アメリカ政府関係者によりますと、米軍のB-2ステルス爆撃機が攻撃を実施しました。アメリカは21日の時点で「外交的」にイラン政府に接触し、米軍による攻撃は核施設の破壊のみが目的で、「体制転換の取り組みは計画していない」と伝えていたといいました。現地では、イスラエルとイランの戦闘が10日目に突入していました。
トランプ大統領は演説に先立ち、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「我々は、フォルド、ナタンズ、イスファハンを含むイランの核施設三つに対する攻撃を成功させ、完了した。すべての飛行機はもはや、イラン領空の外に出ている」と書いました。
国連の安全保障理事会は、アメリカによるイランの核施設への攻撃をめぐって22日、緊急会合を開き、グテーレス事務総長は「報復の連鎖に陥る危機に直面している」と述べ、軍事力ではなく外交で解決策を探るよう訴えました。
冒頭、グテーレス事務総長は国連での呼びかけが無視されたとした上で「報復の連鎖に陥る危機に直面している。安全保障理事会とすべての加盟国に対し、理性と自制心と緊急性をもって行動するよう強く求める」と述べ、軍事力ではなく外交で解決策を探るよう訴えました。
イランの主要な核施設を攻撃したアメリカについて、イランのペゼシュキアン大統領は「報いを受けなければならない」などと述べ、報復を示唆しました。イランのアラグチ外相は22日、滞在先のトルコで開いた会見で、アメリカへの報復として、原油の海上輸送の要衝、ホルムズ海峡を封鎖する可能性について聞かれたのに対し、「イランにはさまざまな選択肢がある」と答え、可能性を排除しませんでした。
一方、アメリカはイランに対して報復を控えるよう警告し、イランの核問題に関する交渉の再開を呼びかけていたとしています。その他、国連によりますと、ロシアや中国、パキスタンは、イランの核施設に対するアメリカの空爆を非難する決議案の草案を国連安全保障理事会のメンバー間で流通しています。